うたかた

湧き上がっては心を揺らす感情の泡を、戯れに文字にしてみる。

二兎を得る

バンクーバーは何でも手に入るけれど、
日本製の洋食
というのがどうにもなかなか食べられない。
たとえばたらこスパゲティ。
たとえばきのこハンバーグ。
もちろん自分で作ればいいのだけれど、なかなか手間がかかる。

食べたいもの
と聞かれて最初はいつも和食メニューを答えていたけれど、
とろとろ卵のオムライス、
そしてドラマに登場して以来食べたくて仕方なかったハヤシライス、
この2つがいつの間にか脳内ランキングで順位を上げていた。

そんなわけだから、
日本に帰ったら和食を堪能
という従来の法則を無視し、
日本に帰ったら日本の洋食レストラン
という新たな行動パターンを開拓した。

そして出会ったある日の東京での昼食。
ふわふわオムライスにハヤシソース
うん、完璧!



20060823 (1)-1re2
一気に2つクリア。

空港にて

今、シアトルのタコマ空港にいる。

というのを、一度やってみたかった。
外国の空港でブログを更新
なんて、なんかちょっと国際派な感じがするではないか。
たかがブログを書くくらいではしゃいでいる
というのがまさに、本当の国際派ではない証拠であるが。
しかし残念ながら今は本拠地最寄のバンクーバー空港にいる。
8時50分発なのに、既に1時間ほど前から搭乗口だ。

米国経由で帰ることになったのがすべての発端だった。
直行便がやたらと高かったのである。
シアトル経由なら少しは安いと聞いて、仕方なくそれにした。
するとその旅行会社のちょっとぶっきらぼうなおばちゃんが、
米国行きはバンクーバーで入国手続きをするから早く空港に行け
と言うのだ。
国際線は大抵2時間前が相場だが、それより前とは。

2時間より前に?
と驚く私におばちゃんは、
もちろんアメリカ行きは国際線ですからそういうことになりますよね
とそっけなく言い放った。
8時50分の2時間前は6時50分
それより1時間くらい前に着くとして5時50分
朝早過ぎるため利用せざるを得ないタクシーは空港まで20分ほど
つまり5時半に家を出るということだ。

タクシーがなかなか来ない
などの事態も想定してそういう予定を組み、
5時半ピッタリのタクシーに乗ってガラ空きの道路を15分弱
これまたガラ空きのチェックインカウンターで手続きをし、
荷物を預け、
セキュリティチェックを受け、
入国審査もすんなり通り、
長い長い廊下を搭乗口まで歩いて時計を見たら、
まだ6時20分くらいだったろうか。

カフェでヨーグルトを買って食べ、
椅子に腰掛けて辺りを見回したら
ワイヤレスインターネットWi-Fiのマークとともに
Free/gratuit @YVR
と表示された電光掲示板を見つけた。
そうして今に至るのだ。

実を言うと昨日の晩からほとんど一睡もしていない。
より正確には、「一睡」くらいしかしていない。
時間はまだたっぷりあるのだから眠るのも一興だが、
眠りこけてしまいそうで恐ろしい。
荷物は重いから持ち歩きたくないし、
かといって放置したままふらふらするわけにもいかないし、
やっぱりブログで遊ぶくらいしか無いのである。

憧れの空港でのブログ更新。
その舞台裏は、思いの外屈折している。



20060823 (1)-1re2
現実ってそんなもの。

ツキノワグマ

またまた森の動物診断である。

北海道旅行から帰った母が、スカイプの向こうで試していた。
ツキノワグマという結果が出たらしい。

小柄な母である。
非力なわけではないが、背もあまり無いしとにかく細い。
クマのイメージとは残念ながら遠い。
私のニホンリス、
カエル好きの友人のモリアオガエル
のドンピシャ加減に比べると、首をかしげざるを得ない。

そう私が言うと、母は
でも私もクマさん好きよ。
と反論した。
しかし母が動物の中で特にクマが好きだという話は聞いたことがない。
お母さんはやっぱり小動物だよ
と私がなおも食い下がると母は言った。
でも子どもの頃おばあちゃまとウォーウォーごっこしたもん。

おばあちゃま、というのは私の祖母、つまり母の母のことである。
母が子どもの頃、母娘でウォーウォーごっことやらをしたらしい。
けれど、したもん、などと言われても困る。
大体ウォーウォーごっこって、まあ想像はつくが一般的には意味不明だ。
何それ。
と言ったきり笑うしかできない私に、母は説明を付け加えた。
ウォーウォーって言いながら2人で四つんばいになって並んで歩いただけだけど。

やっぱり。
きっとそんなようなことだろうと思っていた。
となれば残る疑問はひとつ。
それっていつのこと?

そりゃあ、まあ1ケタの頃よ。
口ごもりながら答えた母。
でも、覚えてるんだね。
と私。
だって1ケタって、
と母曰く、
9歳まで1ケタよ。

嗚呼。
母は実に、そういう空気の中で育ったのである。
9歳の頃までウォーウォーごっこをしていたかどうかはともかく、
物心ついた後も母娘でクマになりきって遊ぶような、そんな空気。
話を聞いただけでは楽しさのツボがどこにあるのか判然としないが、
きっと楽しいのに違いない
と、母の娘である私は思う。
祖母も母もそういうよくわからない遊びを楽しめる人たちなのだ
と言った方がわかりやすいだろうか。

お母さんは私とはウォーウォーごっこしてくれなかった!
と抗議の声を挙げようかと考えたりもしたが、ヘタなことを言うと
じゃあ今度やりましょうか
という流れになりかねないため、黙っておくのが賢明と判断した。
一人で試してみようかとも考えなくもなかったのだが、
さすがに、それは、やめておく。



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もしいつか、娘ができたら。

たわしの芽

もうかれこれ半年も前のこと。
ふとたわしを見ると、発芽していた。(09/09/05参照)
ぜひ捨てずにそのまま育ててほしい
という声を受けて暫く放置していたが、ある時スルリと抜けてしまった。

けれどその芽をヨーグルトカップに移し替え、実はそのまま育てていた。
まったく陽の射さない部屋である。
すぐに枯れると思っていた。
それが予想に反して、のんびりとではあるが成長している。

100305 (8)

もしかしたらこれはトマトなのではないか。
最近ではそんな気もしているが、定かではない。

10日間ほど家を空ける間に友人に預けようかどうしようか、
枯れるとわかっていて放置するのはよくないが、
何しろ正体がわからないのである。
わざわざ世話を頼むほどのものかどうか判断し難く、
どうしよっかなー
などと呟きながら葉っぱをつついている。



20060823 (1)-1re2
正体がわかるまで育てるべきかも。

料理上手

大学入学とともに一人暮らしを始めて、もう8年になる。
間にホームステイの1年強を挟んで、自炊生活も気付けば賞味5年半だ。
大抵のものは作れるし、
そこそこの出来に仕上げることができる。
けれどなかなかその
そこそこの出来
から抜けられずにいる。

何しろあまり努力をしていないのだ。
おいしさの追求
という作業をまったくもって怠っている。
味が少し薄いな。
何か足りないな。
そういった感想を、何の対処もなくそのまま放ってしまうのである。
だから問題点を自ら正すことができない。

市販のドレッシングを買った。

25a949dd.jpg

オーガニックのゴマドレッシング。
なんとなく、おいしいのではないかと思ったのだ。
それが、蓋を開けてみると非常にまずかった。
完全にもてあましているうちに、母がバンクーバーに遊びに来た。

確かにあんまりおいしくないわね。
と母は同意して、
ねりごまとお塩とお酢を少しずつ加えてみるといいかも。
と即座に提案した。

ほえー。
と変な返事をしてその場は流れ、後日言われた通りにやってみた。
ねりごまと、
お塩と、
お酢。
果たしてそれは驚くほどおいしくなったのだった。

思えば母はいつも、
家族のために真面目に
食事をこしらえていた。
ねえ、ちょっとお味見してみて
と子どもの頃の私はよく頼まれたものだ。
うーん、なんか足りない
といった私のいい加減な感想を、母はいつも見事に調理していた。

向上心が大切だ。
おいしいものを作ろう
という心意気と努力無しには、料理の腕前も上がらないのだろう。
これからはもう少し頑張って、
おいしくないゴマドレッシングをおいしくする技
を体得したいものだ。



20060823 (1)-1re2
母賛歌。
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